市政の動き−議会・政策・見解

【21.09.28】9月議会の日本共産党の反対討論

森下ますみ市議が反対討論

日本共産党市議団を代表して反対討論を行います。

第107号議案、令和3年度岐阜市一般会計補正予算についてです。
企画費における羽島市との連携中枢都市関係を結ぶことに伴った予算措置ですが、都市間は対等が原則であるのに「連携中枢都市圏」は主従を感じさせる関係にあります。
一極集中が広域に進行し、都市の正しい発展が損なわれる懸念が尽きません。
商工業振興費各種振興、キャシュレス決済を活用した地域経済活性化事業ですが、活用できる店舗、利用できる市民が限られます。不公平感があり、コロナ禍での適切な経済対策とは言えません。

第110号議案、
岐阜市手数料徴収条例の一部を改正する条例制定について、
個人を識別するためのマイナンバーですが、転職した際に、元の事業所が転職先に、転職した人の番号を告げる事が許されることに伴った対応ですが、本人の了解を得て、とは言うものの、誰のため、どんな意味を持つのか理解しがたいことです。国はマイナンバーの普及を加速させようとしていますが、個人情報の漏洩の心配は拭いきれていません。
第111号議案は、110号議案と同じ理由です。

第112号議案、
岐阜市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例制定についてです。ゼロ歳から2歳まではいいのですが、3歳以降は
連携する施設となります。必ずしも希望する施設に入所出来ていません。保育所への転所は、容易ではない現実もあります。連携のありかた、保育に欠ける状況の抜本策が求められます。


115号議案、指定管理者の指定についてです。
岐阜市立の第2恵光、第3恵光、ワークス恵光、ケアホーム恵光の4つの障がい者施設が指定管理の下で、社会福祉法人へ運営が移行する事になります。職員は3年間をかけて引継ぎをする、との事ですが、慣れ親しんだ職員と離れる事で、利用者が不安や動揺することはないのか気がかりです。
職員、スタッフの皆さんは、専門性を有した貴重な人材であり、働き甲斐、生きがいを奪うことにならないでしょうか。
5年ごとに選定で指定管理者が変わることもあり得る事から、誰のためなのか、が問われます。

117号議案については、第107号議案で述べた理由と同じです。


第118号議案、令和2年度岐阜市一般会計、特別会計歳入歳出決算認定についてです。
歳出です。
議会費における政務活動費ですが、コロナ禍における市民の暮らし向きを思ったとき、月15万円は高すぎであり、引き下げるべきです。執行率は58・2%、1人平均104ですから、支障はない、と考えます。

行政管理費のシステム管理費、社会保障・税番号制については、110号議案で述べた通りです。
住民基本台帳費です。
戸籍事務の窓口業務委託ですが、窓口に市職員と、民間の派遣職員が混在しています。指揮命令、チームワークがスムーズに行えるのか、守秘義務など、公務にあたっての研修が十分にされているのかの不安に加えて、情報の漏洩の心配も尽きません。
子ども未來費です。
子ども未来総務費、子ども未来事務の内、第3次公立保育所民営化です。デルタ株の蔓延によって、子どもへの感染への、対応が求められています。
保護者が安心して休める体制、保育労働者が休まざるを得ない事態にどう対応するのか、各施設の責任とは言えません。公立保育所の果たしてきた役割を放棄して民間に丸投げする、第3次公立民営化計画は、検証、見直しをするべきです。

高島屋南地区再開発における子育て支援施設、健康運動施設整備についてです。
保留地の取得費24億円、工事費で10憶円、合わせて34憶円を費やし来年度完成の見込みです。
完成を目前にして、突然この場所からすぐ近くの、旧長崎屋を、都市計画事業として、公園緑地とする考えであることが明かされました。柳ケ瀬地区の整備方針、計画性のなさが、場当たり的です。
公共施設のフロアーは出来上がっていますが、柳ケ瀬地区全体像の再検討、手直しが必要ではないかと考えます。
柳ケ瀬地区をはじめ、広く市民の皆さんとの議論が必要だと考えます。
保健体育費です。
学校給食調理業務の民間委託については、共同調理場に関わって、地域住民から様々な苦情が寄せられています。
生活する上でも支障をきたしている事も明らかになっています。調理の現場で働く皆さんの処遇が心配です。子どもたちにとっては安心、安全な自校方式が最善であると考えます。

岐阜市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算についてです。
令和2年度は7、555世帯も滞納せざるを得ない状況にあります。更に窓口負担が10割となる保険証の取り上げは432世帯、短期の保険証の発行数は、2,311世帯で、令和元年より490世帯も増えています。これ以上の保険料の負担は限界であり、社会保障とは言い難い現状は容認出来ませんし、国保財政調整基金の取り崩しなどの措置をとり、引き下げをするべきです。

岐阜市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算についてです。
保険料の改定によって均等割りが3197円の値上げ、所得割は0・8%の値上げ、更に賦課限度額も62万円が64万円と、軒並み値上げになり、高齢者の生活を圧迫しています。減免措置は割合の縮小により、滞納せざるを得ない方が出ている中で、更なる滞納者を生み出す心配が尽きません。
以上118号議案の不認定の理由です。

第122号議案、
岐阜市下水道会計決算認定について、
取り出したリンの売り上げは、令和2年度360万円、これにかかる支出は1憶2千880万円です。リンを回収しないで埋め立てにする場合にかかる費用は4470万円です。9000万円余計にかかっています。環境対策ですから、一般会計からの支援がふさわしいものであるべきです。受益者に負担を求めるべきではありません。
令和2年「基準外繰入金と、繰入金の見直し」がされました。令和2年度から、令和4年度まで繰入金の減額が続きますが、それ以降増額が続き、その結果令和10年までの繰入金の年平均は3000万円増です。繰入金の見直しがされた事は評価したいですが、実態に見合っているとは思えません。リン回収の穴埋めはされるべきだと考えます。

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